ワンパッチのパターンのパッチワークキルトの作り方 |
▼サイズを決める |
ワンパッチのパターンのパッチワークキルトをつくってみましょう。基本となるピースの大きさが3cmです。プラス、ボーダーをつけて出来上がりのサイズは36cm×36cmになります。
ちなみに、基本となるピースの大きさを4cmにすれば出来上がりのサイズが48cmになり、5cmにすれば出来上がりのサイズが60cmになります。 また、本体を9格子から数をふやしていくことで、サイズをどんどん大きくすることができます。 |
▼材料をそろえる |
トップに必要な布、トップよりひとまわり大きいサイズのキルト芯、さらにひとまわり大きいサイズの裏布、バイヤステープに必要な布など、サイズが決まったら必要な布の分量を計算してそろえましょう。 |
▼ピースをつくる |
3cm×3cmの正方形の型紙を作りましょう。
パッチワークボードを開いてその上に布地の裏側を上にしておきます。布地の目にそって、縫いしろを含めた4.4cm幅で縦に線をひきます。次に同じく4.4cm幅で横に線をひきます。できた四角の中央に3cm×3cmの型紙をおいてしるしをつけていきます。本体用に柄を41枚、生なりを40枚、ボーダー用に柄を44枚、合計125枚それぞれとります。 |
本体とボーダーの間にいれる布、1.5cm×30cmに縫いしろを含めたものを4枚とりましょう。30cmの辺の片側に3cmごとにしるしをつけます。反対側は最初は1.5cm、あとは3cmごとに同じくしるしをつけます。 |
いよいよカットです。布はもちあげずにテーブルに置いた状態で、はさみを手前から向こう側にすべらすようにしていくのが基本です。カットしたピースはバラバラにならないように、まとめて缶などに入れておきましょう。
限られた布からピースを効率よくとることも大事ですが、時には少々無駄使いをして、柄をいかしてとることも大事です。布地の目にも注意して、よく考えながらとっていきましょう。特に三角形のピースをとる時などは布地の目に注意しましょう。ピースをつなぎあわせた時に、4辺がバイアスにならないようにとります。あらかじめ型紙に布地の方向を矢印でしるしておくことをオススメします。 |
▼ピーシングをはじめる |
2枚のピースを中表にして、しるしの始めと終わりにまち針をうちます。ずれるのが心配であれば、中間にもうちます。まち針は縫いおわるまで、ぬきません。
しるしからしるしまでを縫います。糸は1本どりで玉結びをつくります。縫い始めと縫い終わりに1つ返し縫いをして、玉結びをつくり糸をきります。ひとつひとつ丁寧に正確にぬっていきましょう。 ちなみに私は、玉結びが好きでないので、ちょっと変わった方法で縫います。縫いしろの部分からななめに2〜3針ぬってまち針の上で1つ返し縫いをします。縫いおわりもまち針の上で1つ返し縫いをして縫いしろの部分にななめに2〜3針ぬって糸を切ります。 |
ふたたびピーシングです。今度は9枚つなげたものを順に9組つなげていきます。 |
アイロンをかけましょう。縫いしろは割らずに、2枚一緒に重ねて同じ方向へ倒します。この時に、縫いしろをどちらに倒したらいいのか悩むところです。倒した側は縫いしろが重なって厚みがでるので、厚みをだしたい方へ倒すのがよいでしょう。無理なく自然な方向へ規則的に倒してアイロンをかけていきましょう。 |
縫いしろが集中するところはかざぐるまのように順に倒していきます。
実物大の型紙を用意して、その上にブロックをのせてアイロンをかけると、正確なサイズにしあげることができます。さあこれで本体の完成です。 |
▼ボーダーをつくる |
ピースを10枚つなげたものを2組、12枚つなげたものを2組つくりましょう。
1.5cm×30cmの布Dを本体につけます。1.5cmのしるしからはじまっている側を本体につけます。1つ目のしるしと本体の角をあわせます。本体からはみだした1.5cm部分は、左右の布の方をななめ45度におりまげて上下の布にたてまつりで縫いつけます。 |
ピースを10枚つなげたものを本体の左右につけていきましょう。3cmごとにつけたしるしごとにまち針をうちながら縫いあわせていきます。そしてピースを12枚つなげたものを上下につけていきましょう。 |
これでトップが完成しました。今一度、全体にアイロンをかけてサイズを整えましょう。 |
▼キルティングラインをかく |
カリスマペンシルを使ってキルティングラインを書いていきましょう。今回はプレーンブロックをいれていないので、全体にかけるランニングデザインをおすすめします。格子でも斜線でもダイヤモンドでもよいと思います。直定規を使ってうすく書いていきましょう。あとは、ピースひとつひとつにキルティングする方法もあります。この場合はキルティングラインを書く必要はありません。ピースの内側0.3cm〜0.5cmのところをピースにそってキルティングしていきます。
ちなみに、縫い目の際にキルティングするのを落としキルト。内側0.2cm〜0.5cmの間隔を保ちながらキルティングするのをアウトラインキルトといいます。 |
もちろん円でもOKです。円を書く時はコンパスを使用します。今回の場合はサイズが小さいので問題ありませんが、普通に市販されている文具用のコンパスだと、書ける円の大きさが限られてしまいます。大きな円を書きたい時は、専用のコンパスがありますのでそれを利用しましょう。とりあえず、適当な大きさのお皿があればそれを利用するのもいいと思います。 |
▼しつけをかける |
裏布、キルティング綿、トップの順に重ねます。くれぐれも裏布の表裏をまちがえないようにしましょう。そして四隅にまち針をうちます。
しつけ糸でしつけをかけます。中心から外側へ放射状にかけていきます。しわがよらないように気をつけます。最後にまわりもかけておきます。しつけをかける時は、生地をもちあげないようにしましょう。もちあげてしまうと、ずれたりしわがよったりしてしまいます。 |
▼フープをつかう |
今回のサイズはこのままだとフープにはることができません。そこで当て布をまわりに縫いつけることをオススメします。手に持ったままキルティングしてもいいのですが、やはりフープを使った方が奇麗にキルティングすることができます。
フープにはる時にはピーンとはらずに、こぶしひとつ分のたるみをつくりましょう。キルティングは針を持たずに針の頭を押しながら縫い進めていきます。ピーンとはったままだと針を進めることができません。 |
▼キルティングをはじめる |
糸は1本どりで玉結びをつくります。糸の長さは指からひじまでの長さが適当とされています。縫い始めから少しはなれたところに針を入れて、縫い始めのひと針先のところに針を出します。糸をひっぱって玉結びを布の中にひきこみます。縫い始めに針を入れて、ひとつ返し縫いをします。
いよいよキルティングの開始です。右ききの場合、右手をキルトの上に左手をキルトの下におきます。針を真下にさし、左手のシンブルにあたったら真上に押しだすようなイメージでキルティングしていきます。2〜3針さしたら針をだして糸をひきます。 美しい針目は1インチ=約2.5cmの間に7〜10針とされています。気にしすぎると前に進まなくなります。細かくさそうと思うあまり、裏布まですくえずに進んでしまうことがあります。はじめはあまり気にせずに、少々大きくても針目をそろえることに神経を集中させましょう。縫いおわりは、ひとつ返し縫いをして玉結びをつくり布の中にひきこんでから糸を切ります。 中枠にもキルティングしましょう。 キルティングが終わった部分は、しつけ糸をとってもかまいません。ただし、バインディングする時のためにまわりのしつけだけは残しておきましょう。私は、このしつけ糸をとる瞬間が好きです。しつけ糸をとると、キルティングによってできる凹凸がくっきりうかんできます。この瞬間がたまりません。 キルトづくりのプロセスで、キルティングが好きだという人は少ないかもしれません。それほど針目を細かくそろえるということはむずかしいことなのです。裏をかえせばそれだけに細かくそろったキルティングの針目は美しいということなのです。とにかくなれることです。フープになれること。シンブルになれることです。ひと針ひと針ゆっくりとていねいにすすめていきましょう。きっと必ず「コツ」をつかむ時がきます。コツをつかめばこっちのものです。きっとキルティングするのが楽しくなります。 |
▼バイアステープをつくる |
二等辺三角定規を使って45度に1本ラインをひきましょう。二等辺三角定規がない場合は、三角に折ってみましょう。4cm〜4.5cmの幅で平行線を書きます。4辺をたした長さに少なくとも15cmを加えて、長めにカットします。そして中表にしてつなげていき、1本の長いテープをつくります。
バイアステープの場合は、ピースの場合とちがって、つないだ部分の縫いしろをわりながらアイロンをかけます。そして外側を0.7cmずつとり、三つ折りにしてアイロンをかけます。バイアステープの出来上がりです。私はテープメーカーを使ってバイアステープをつくるので、この三つ折りにする手間が省けます。 |
バイアステープというくらいですから、バイアスにとるのが一般的です。しかしながら柄によっては、バイアスにとりたくない時もあります。たとえばストライプの柄です。私はバイアステープにストライプを使うのが好きです。ストライプの縦のラインがトップと垂直になるようにとります。曲線をバインディングする時は無理かもしれませんが、直線であれば必ずしもバイアスにとらなくてもOKです。 |
▼バインディングする |
余分なキルト綿、裏布をカットしましょう。そして本体の表側にバイアステープを中表にしてつけていきます。コーナーの部分は細心の注意をはらいましょう。コーナーをきちんとだせるかどうかで、出来上がりの見栄えがちがってきます。もしうまくいかなければ何度でもやりなおすつもりで、ていねいにつけていきましょう。最後は折り込んでしまいます。そして裏に返してぐるっと縫いしろをくるんでしつけをかけます。 |
糸は1本どりでバイアステープにあわせて色を選びます。細かく「奥たてまつり」でまつっていきます。もうすぐ完成です。一気にしあげてしまいましょう。 |
アンティークキルトと呼ばれるキルトの中にも、裏布のはぎあわせや、バイアステープをつける工程をミシンで処理しているものが数多くあります。当時の人々にとって、ミシンとはとてつもなく便利な道具だったにちがいありません。ミシンの発明とともに、キルトの数が飛躍的に増えたといわれています。 |
▼できあがり |
いよいよ最後のしあげです。残っているしつけを全部とりましょう。出来上がりです。
いかがでしたでしょうか?無事に完成することができましたでしょうか?壁にかざってもよし、テープルにおいてもよしです。ちょっとしたプレゼントとしてもよろこばれます。配色をかえたり、キルティングラインをかえたり、練習のつもりで何点か作ってみましょう。 自分の手で作品が出来上がった時のよろこびはひとしおです。今回は、小さなサイズの作品でしたが、徐々に大きなサイズにも挑戦していきましょう。 |
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