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No. 023 ログキャビンの魅力って?

「おしゃべり広場」でもたびたび登場していますNHKの「おしゃれ工房」ですが、今回は、先日放送されましたログキャビンの魅力についてお話ししてみたいと思います。
ログキャビンはキルトのパターンの中でも、もっとも人気のあるパターンのひとつです。中央の正方形は暖炉をあらわしているといわれており、暖炉を中心に丸太をつみあげた小屋「ログキャビン」のパターンは、開拓時代のアメリカを象徴した伝統的なパターンといわれています。アンティークキルトといわれるキルトの中にもログキャビンのキルトは数多く残されています。綿でできたキルトはもちろん、それ以外にもウールや絹など古着を細くひき裂いて利用したものをよく見かけます。そのほとんどが、ベッドカバーとして作られたものです。

代表的なログキャビンは、ピースが正方形ですが、それ以外にも三角形や六角形、ひし形などのヴァリエーションが豊富にあります。中央のピースは暖炉をあらわすということから、赤を使ったものが多いようです。 作り方は、キルト綿と裏布を合わせた土台に縫いつけていく「プレスドキルト」という方法と、トップを作りキルト綿と裏布をあわせて落としキルトをしていく方法と2種類あります。先日放送されましたNHKの「おしゃれ工房」では、前者の方法を紹介していました。


ログキャビンの魅力は、なんといってもセッティングのおもしろさだと思います。明暗をつけたブロックのならべ方で、無数のデザインが出来上がります。「ひとつ作るとまた違ったものを作りたくなります。魅力はつきません。」と、ゲストの先生もおっしゃっていましたが、なるほどログキャビンの魅力は、奥が深そうです。

そこで、「明暗」「裁判所の階段」「煙突と四柱」「パイナップル」など、ログキャビンの代表的なセッティングをいくつかご紹介してみたいと思います。実際につくってためしてみたいところですが、全部つくってみるわけにもいきません。そこでパソコンを使ってデザインしてみました。【ためしてみました】のコーナーで、ご紹介しています。よろしければ、みなさまもA4サイズの用紙にプリントアウトをしてご利用ください。色えんぴつを使って、いろいろな配色をためしてみましょう。

丸太にあたるところのストリング状の布ですが、太さを決めずに太くしたり細くしたりしてもおもしろいと思います。出来上がりのブロックの大きさを同じにすればつなげやすいですし、バラバラでもそれもまたおもしろいと思います。

今まで半端になってしまった布は、正方形や三角形にカットしてとっておくことにしていましたが、長方形にとれるものは、ストリング状にしてとっておくのもおもしろいと思いました。スクラップのログキャビン、作ってみたくなります。ちなみに、先生は色ごとに分けて、透明のビニール袋に入れ、必ず中身が見えるようにしておくそうです。

実は、キルトをはじめたばかりのころに赤と白のログキャビンを作ったことがあります。ウォールポケットのポケットの部分にしようと思って、ブロックを3つつなげてはみたものの、結局出来上がることなく、バインディングをして、ちょっとした敷物として使っています。写真がそれですが、なかなか気に入っています。ポイントは、中央のピースに花柄の花がちょうどくるようにカットしたところです。「大作はちょっと・・・」という方は、こんなミニミニキルトはいかがですか?縫い目が表に見えることがないので、キルティングに自信がない方にもおすすめです。

テレビの放送では、先生が実際に針を持つところを拝見することができました。とにかく丁寧だなっと思いました。最初のひと針目は、しるしとしるしが合っているかどうかを確認する。ぬいはじめとぬいおわりには、ひとつ返し縫いをする。端から端まで縫ったら、爪できせをかけながらピースを倒していく。余分な布はそのつどはさみでカットする。基本であるにもかかわらず、私などはついつい面倒がって、手をぬいてしまいがちな作業です。ぜひ、見習いたいものです。

針の運び、いわゆる「運針」も、ぜんぜん違うなっと思いました。先生は右ききなので、右手のなか指に指ぬきをはめていました。針の頭を指ぬきでグイグイ押しながら、リズムよく進みます。私にはこれができません。小学校の家庭科で習って以来、どこでどうまちがったのか、変なクセがついてしまったようです。どうやら針の持ち方に原因があるようです。

キルティングの時には、右手のひとさし指に「ゴムサック」をはめ、なか指に「金属のシンブル」の上に、さらに「皮のシンブル」を重ねてはめていました。ひとさし指のゴムサックは、針をすくう時に、すべらないようにするためです。左手のひとさし指には金属のシンブル、親指には糸きりがついたリングをはめていました。 とにかく針が垂直に入って、垂直に出てくるといった感じでした。なるほど「パッチワーク・キルト展」で見た先生の作品は、どれもキルティングの針目が細かく揃っていました。テレビの画面を見ていると、誰でも簡単にできるような錯覚に陥りますが、いざ針を持ってみると、これがなかなか思うようにいきません。頭ではわかっているのですが、どうしても、針がななめに入って、ななめに出てきてしまいます。まだまだ修業が必要です。

テレビにも登場していましたが「キルト用の文鎮」をひとつ購入してみようかと思っています。先生は、テーブルの上にトップを広げ、その上に文鎮を置いてキルティングしていました。フープを使わない時には、便利だなっと思いました。すぐ道具にたよってしまう私ですが、さっそく注文してみることにします。

1999年10月19日

キルトカフェ パッチワークキルトにまつわるコラムです。
キルトカフェは2005年3月1日にオープンしました。