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No. 026 キルトのお洗濯

つくってみましょう」のコーナーでは、今までにいくつかキルトの作り方を紹介してきました。もうすでに、何枚か作った方もいらっしゃるかと思います。出来上がったキルトは、たいせつな宝物です。いつまでもいい状態のままにしておきたいものです。そこで今回は、キルトの洗濯についてお話ししてみたいと思います。
自分で作ったものは、愛着があります。風あいがなくなるということで洗濯しない方もいらっしゃるかと思います。「見せるキルト」「残すキルト」などは、なるべく出来上がったままの状態で保存しておきたいものです。日常的に「使うキルト」であれば、やはり洗濯したいところです。洗濯したあとは、やはり気持ちのいいものです。しわがよってもまたそれもいいものです。でも何度も洗濯していくうちに、どうしてもクタクタになってきてしまいます。「使うキルト」は、それなりに割り切りが必要です。

ちなみに私の場合は、鍋つかみやクッションカバーなど「使うキルト」は、バンバン洗濯しています。部屋にかけてあるタペストリーなど「見せるキルト」は、季節ごとにとりかえているので、こちらは交換する時に洗濯しています。年に1、2回といったところでしょうか。今のところ「残すキルト」といえるほどの作品はないので、?です。


さて洗濯の仕方ですが、できれば手洗いをおすすめします。キルト専用の洗剤もありますが、私は漂白剤が入っていない普通の洗濯洗剤を薄めにして使っています。それほど汚れていなければ、たたんで軽く押し洗いをします。あまり洗濯液につけておくと、色が落ちることがありますので注意します。

よくすすいでから、ほんの気持ち(2〜3秒くらい)洗濯機で脱水をかけます。そして、形を整えて風通しの良い場所に干します。真夏の場合は、あまり日差しの強いところに干すと、色があせてしまうことがありますので気をつけます。

今までに洗濯をしてみて分かった事柄をいくつかあげてみました。基本的なものばかりですが、参考になればうれしいです。

■色落ち
布は、使う前にかならず水通しをします。特に濃い色は要注意です。あらかじめ水通しをしておけば、ある程度ふせぐことができます。水通しをして色がはげしく落ちるようであれば、この時点で薄めの洗濯液でしっかり洗って、余分な染料を落としておきます。布を購入したらすぐ、必ず水通しをするようにしましょう。

■ちぢみ
こちらも、使う前にかならず水通しをすることで、ある程度ふせぐことができます。布の織りの目の荒さによって、ちぢみに差がでることがあります。たかが水通し、されど水通しです。ちょっと面倒な作業ですが、「色落ち」や「ちぢみ」をふせぐ以外にも糊を落とすという目的もあります。水通しをしておくと、針の通りがぜんぜん違います。ぜひ習慣にしたいものです。

■キルティングライン
使用した鉛筆の種類や、書いた時の強さにもよりますが、固い鉛筆で強く書いてしまうと、洗濯してもなかなか落ちません。定規やテンプレートを使って書く場合などは、意外と力が入って強く書いてしまいがちです。キルティングラインは、そっと薄く書くようにしましょう。カリスマペンシルなどの専用のペンを使って、そっと薄く書いたものは、さすがに何回か洗っているうちにほとんど消えてしまいます。最近は、洗うと消えるペンシルもあるようです。

■ほつれ
洗濯をすると、糸がほつれてくるのではないかと心配されている方もいらっしゃるかと思います。縫いはじめとおわりに、返し縫いと玉むすびをしてあれば、まず大丈夫です。縫いしろが少ないとほころんできてしまうことがあります。多すぎても困りますが、少なくても0.5cmは確保しておくと安心です。

■型くずれ
ほんの気持ち(2〜3秒くらい)脱水をかけます。しわになるので脱水をかけない方もいらっしゃるかと思います。大きなキルトなどはそれだけでもけっこう重たいものです。水分を含むとさらに重くなります。型くずれをふせぐためにも、脱水をかるくかけてから形を整えてから干すことをおすすめします。

いかがでしょうか。わが家のキルトもそろそろお洗濯をして、さっぱりしたところで2000年を迎えたいと思っています。

1999年12月19日

キルトカフェ 手芸の道具・テクニックにまつわるコラムです。
キルトカフェは2005年3月1日にオープンしました。