キルトカフェホームお茶にしませんか展示会リポート

No. 032「ミュージアム・オブ・アメリカン・フォークアートの世界展」を見て〜後編

さて、今回も前回にひきつづき「ミュージアム・オブ・アメリカン・フォークアート展」のリポートの後編をお届けしようと思います。ホールクロスキルト、チンツを使ったキルト、シグネチャーキルト、アップリケキルト、ビースドキルト、ログキャビンキルト、クレイジーキルト、サンプラーキルト、アフリカンキルトにコンテポラリーキルトと、時代とともにキルトのうつりかわりを見ることができました。そして、最後に展示されていたのがアーミッシュキルトといわれるキルト、9点でした。
みなさま、アーミッシュキルトをご存知ですか?アーミッシュとは、アメリカ開拓時代そのままの暮らしを続けている人々をいいます。厳しい戒律を守るアーミッシュの人々が作るキルトは、宗教上の理由から「無地の布のみを使った幾何学模様のシンプルな組み合わせ」が特徴です。みなさま、使っていい布は無地だけです!想像してみてくださいませ。

私がはじめて、アーミッシュキルトを見たのは、今から7年前になります。インディアナ州立博物館が所蔵しているアーミッシュキルト展を見たのがそれです。当時の私はおそらくキルトをはじめてまもないころで、夢中になって布を集めていたころだと思います。そのころに見たアーミッシュキルトは、目からウロコが落ちるようでした。その時うけた衝撃は今でも忘れることができません。

今回展示されていたキルトは9点。会場の最後の方には、実際に生活で使った机や馬車なども展示されていました。


さて、ここでちょっとしたエピソードをひとつ。前編でお話ししたとおり入口には記帳ノートと筆と硯がおいてありました。筆の話しはさておき、図録があるとしたらここにあっていいはずですが、ありませんでした。まさか売り切れ?初日の午前中です。そんなわけがないと思いながら、手ぶらで会場に入っていきました。

ホントに図録がないのかもしれません。それならば、忘れては大変と思いメモをとりながらじっくりと作品を見ていきます。実は、作品を半分ほど見終わったところで「ワレンさんの作品説明がはじまりますので入口までお集まりください。」というアナウンスが流れてきたのです。はじめは、ひとりでゆっくり見たいと思いましたが、説明を聞いてみるのもいいかもしれないと思いなおし、入口まで戻ることにしました。

ワレンさんの話を聞きながらというよりも、通訳の方の説明を聞きながら、作品から作品へと集団になって移動していくわけですが、どのあたりだったでしょうか、なんと図録らしきものを手にしている人がいるではありませんか。どこで手にいれたのか気になってしかたがありません。なくなってしまっては大変と思うとワレンさんの話も耳に入りません。

たしか、1枚目のコンテンポラリーキルトの説明にさしかかったころです。なにがなんでも図録をゲットしたい私は、まず、出口に向かいました。きっと出口にあるにちがいない!ありました!図録と美術館の本が。「いただいてよろしいですか?」と、係りの人に訪ねると、「はがきをお持ちですか?」と聞かれ、「持ってます!」とはがきをだして見せると、「こちらのはがきは、あちらで交換しております。」と会場の外のはるか向こうを指さすではありませんか。どうやら、はがきによって交換場所がちがうようです。

はがきを持っていくと粗品と交換しますというようなことが書かれていたのを思い出しました。その粗品が図録だったにちがいありません。幸いなことに入場料が無料ということは、会場を何度でも出たり入ったりできるわけです。でも、ワレンさんの説明も聞きたいし・・・。一瞬ためらいましたが、私は走りました!そしてはがきと図録を無事交換することができました。しかしここで終わらないのが私です。ずうずうしいことに、手渡したはがきを指さして「そのはがきをいただけませんか?」と係の人にたのみます。

私はこの手のはがきやチケットを集めているのです。今回はチケットがなかったので、どうしてもこのはがきをとっておきたかったのです。係りの人が「次回のための資料になりますので、お渡しするわけには・・・」と困りながらも、宛名が印刷されていないはがきをさがしだして「これでよろしければどうぞ」と、そのはがきをくれたのです。なんて、親切なおじさまだったことでしょう!お礼を言ったあと、すばやく会場に戻った私ですが、まだ集団は2枚目のコンテポラリーキルトのところにいました。なんという早業!


さてさて、今回もキルトマーケットが出店されていました。ゲットしてきたものをご紹介しようと思います。いつもは布を中心に見てまわりますが、今回は小物を中心に見てまわりました。ありました!シンブルです。さすが、初日です。たくさんありすぎて、こまってしまいました。I Love New Yorkと書かれたポップなものから、自由の女神がプリントされたものなど、アメリカンなものが数多くありました。値段も手ごろで950円からありました。

全部買い占めるわけにもいかないので、ひとつひとつ指にのせながらじっくりと吟味。結局5個ゲットしてきました。決め手は、形です。素材は陶器で、絵柄もおそらくプリントされているものだと思いますが、形がユニークだったので、思い切ってあるだけ買ってしまいました。

ひとつは本の形をしているもので、表紙は「不思議の国のアリス」がプリントされています。もうひとつは、六角形の円すい形?をしているもので、メリーゴーランドの絵がプリントされています。あとの3つは、家の形をしていて、それぞれ「Gift Shop」「Button Shop」「Christmas Shop」といったお店の絵がそれぞれプリントされています。なかでも「Christmas Shop」は、赤い屋根にクリスマスツリーとクリスマスリースがプリントされています。また「拝見!シンブルコレクション」で、ご紹介したいと思います。


シンブルの他に、カレンダーをひとつゲットしてきました。かねてから、アメリカのキルト雑誌に載っていたのを見て、欲しいと思っていたThat Patchwork Place社の「Nancy J. Martin's 365 Quilt Blocks a Year」というひめくりのカレンダーです。大きさが縦13cm×横15cmでリングとじになっていて、テントのように立てて置くようになっています。一日一枚、ひとつずつパターンが載っています。名前はもちろん、ブロックの組立が簡単な図で説明されています。毎日毎日めくるのが楽しみです。ちなみに私の誕生日は「Vermont」というパターンでした。

ゲットしたのが3月9日だったので、今さらカレンダーを買ってももったいないかなっと思いましたが、よく見てみると月と日にちが載っているだけで、曜日は載っていないのに気がつきました。これなら来年も再来年もずっと使うことができます。値段は3,500円。厚さが3cmもあって、ちょっと重たかったけれど、ゲットして満足しています。


この「ミュージアム・オブ・アメリカン・フォークアートの世界展」は、東京をはじめ、他3カ所の高島屋で順次開催されます。詳細は、

京都・3月23日(木)〜28日(火)京都高島屋グランドホール。
大阪・3月30日(木)〜4月4日(火)なんば高島屋グランドホール。
横浜・4月6日(木)〜4月11日(火)横浜高島屋。
入場料は無料です。

今回は2回にわたってお届けしましたが、いかがでしたでしょうか。このような展示会は、どうしても東京を中心にかぎられた都市でしか見ることができないのが残念です。美術館から出版されている本を手に入れるという方法もあります。キルトジャパンやパッチワーク・キルト通信などの雑誌でもとりあげられていることもあります。ぜひ、機会がありましたら見てみてくださいね。

キルトジャパン1999年11月号に、「アメリカン・フォークアート美術館」に関する記事が掲載されています。

2000年03月19日

キルトカフェ 展示会のリポートです。
キルトカフェは2005年3月1日にオープンしました。