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No. 034「おしゃれ工房」を見て
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キルトクラブの掲示板「おしゃべり広場」でもたびたび話題にのぼる「おしゃれ工房」ですが、それってなに?という方もいらっしゃるかと思います。このおしゃれ工房というのは、NHKテレビで放送されている番組のことです。正確にいうと「今夜もあなたのパートナー」という番組の中の1コーナーです。放送時間は
■教育テレビ
月〜木曜日の午後9:00〜9:35まで
■総合テレビ(再放送)
翌日の火〜金の午前10:05〜10:30まで
内容は手作りのHow toからメイク、ファッションや健康などなど、様々なテーマがもりこまれています。テキストが月1回発行されています。
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「メモってください」のコーナーでもお知らせしていましたが、4月3日から6日まで4回にわたって「パッチワーク大好き!」と題して放送されました。4人の先生方を講師としてむかえて、それぞれ作品の作り方を紹介しています。1日目は、斉藤謡子先生の「ハウスのパターンを楽しむバッグ」。2日目は、キャシー中島先生の「ハワイアン・キルトのタペストリー」。3日目は、郷家啓子先生の「不思議なログキャビンのバッグ」。そして4日目は、小野山タカ子先生の「ブティの額絵」でした。
自己流ではじめた私は、こんな時みんなどうやってやっているんだろう?と思うことがしばしばあります。本にはこう書いてあるけれど、もっといい方法があるのでは?と常にアンテナをはっているわけです。その点、実際に作っていく過程を見ながら説明しているので、この「おしゃれ工房」はなかなか勉強になります。今回は、この「おしゃれ工房」を見た感想と、「なるほど!」と思ったワザやアイデアを紹介してみたいと思います。
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まず、斉藤謡子先生のスプーンを使ってしつけをかけるアイデアです。私もなにかで読んで昔、実際に使ってみたことがあります。でも、イマイチだったんです。今でも道具箱の中に一応スプーンがしまってあることはありますが、使っていません。そのスプーンが登場してきたのでビックリしました。私は、金属のスプーンを使っていたのですが、番組の中で斉藤謡子さんが「赤ちゃんの離乳食を食べさせる時に使うプラスチックのスプーンが弾力があって使い勝手がいい」とおっしゃっていました。なるほど、今度しつけをかける時に、試してみようと思います。
キルティングの細かさは、今さら言うまでもありません。フープにはらずに文鎮を置いて、いとも簡単にスイスイ針を進めていきます。「ナレですよ」とおっしゃっていましたが、いつになったらナレるんだろうと思ってしまうのは私だけではないと思いたいです。
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次に、キャシー中島先生のキルティングのワザです。キャシー中島さんの本は何冊か持っていますが、どれも説明が楽しくて「ほらほら見て見て、いいでしょ!ね!ね!」といったノリです。今回は、キルティングをする時のフープの下側を見せてくれました。フープの下側ってどうなっているのか、知りたくてもなかなか見ることができない部分ですよね。そこを大胆にフープをひっくり返して見せてくれました。
さらに受ける指の動きを細かく説明してくれました。なるほど、受ける側の指の動きが大事!と思いながら見ていると、ビックリしたことに、なんとキャシー中島さんは、受ける側の左手中指にシンブルをはめていないんです。それでも針はキチンと下まですくっています。う〜ん、見事なワザです。
もうひとつ、右ききの場合は右から左へ針を進めますが、キャシー中島さんは上から下、つまりむこうから自分に向かって針を進めていきます。こうすることによって肩が凝らなくなったそうです。強調して「私の場合は」とおっしゃっていましたが、私も一度ためしてみようと思います。
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さて、郷家啓子先生ですが、独特のちょっとゆがんだログキャビンを使った作品を紹介していました。こちらはロータリカッターとミシンを自由かつ大胆に使っています。ピースのカットは型紙もなく「適当です」とおっしゃっていましたが、その「テキトウ」がクセものです。
ミシンを使ってのキルティングは、フリーモーションという押さえ金を使います。下絵なしに自由に絵を描くようにステッチしていきます。ジグザグステッチの振り幅を「テキトウ」に変えたり、手で刺繍したり・・・。といっても、頭の中ではイメージができあがっているのは言うまでもりません。「ゴウケワールド」といった言葉がピッタリの、カラフルな配色と自由なキルティングはこうして出来上がるのかと、とても勉強になりました。
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最後に、小野山タカ子先生のブティですが、実は実際に作る過程を見たのは、今回がはじめてでした。ブティは、2枚の布を重ねて縫い合わせます。デザインにそって細かく縫い終わってから、綿を裏から詰めていきます。綿を詰めた部分は、プックリと浮き上がって陰影がとてもキレイです。
布を切らずに布の織目を広げながら穴をあけ、そこから綿を詰めるわけですが、最初にこの穴を大胆に広げてしまった方が、結果うまくいくようです。広げたら元にもどらないのではと躊躇すると、かえって綿を詰めにくくしてしまい、キレイにいかないようです。
作品の中には鮮やかな色を使ったものもありましたが、やはり白の無地がもっともブティらしいと思いました。とても上品なブティは、ベビー用のキルトにもピッタリです。ブティのほかにもまるで水彩画のようなウォーターカラーキルトも紹介していました。
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さて最後に、毎回番組の最後に「キルトに綴るストーリー」というコーナーがありました。このコーナーでは、それぞれの先生がキルトに対する思い入れを語るというものでした。はじめて作ったキルトや、一番のお気に入りのキルトなどなど、まつわるエピソードをまじえながら紹介していました。
それぞれの先生が紹介していた「はじめて作ったキルト」は、今とは全然ちがう作風だったりして、なかなかおもしろいものがありました。そして「お気に入りのキルト」としては、いわゆるアンティークキルトと呼ばれるキルトを紹介した先生がほとんどでした。不思議なことに、先生方がみな口をそろえて「シンプルなキルトほど飽きがこない」とおっしゃっていました。
たしかに登場したお気に入りのキルトたちは、ひとつひとつのピースの大きさも大きくて、パターンも四角つなぎのものなど、単純です。でも先生方が作るキルトは、ピースが細かく複雑なデザインがほとんどです。作品として見せるキルトと、実際に使うキルトのちがいでしょうか?心魅かれるキルト、キルトの魅力とはいったい何なのか?う〜ん、やはりキルトは奥が深いです。
「おしゃれ工房」これからも期待してしまいます。
2000年04月09日
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展示会のリポートです。
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