キルトカフェホームお茶にしませんかハワイアンキルト

No. 041 はじめてのハワイアンキルト

その昔、宣教師によってハワイに伝えられたアメリカンキルトは、ピーシングによるものでした。常夏のハワイでは、保温のためのキルトは必要がないこともあり、装飾用としてのキルトが生まれます。大きな1枚布にアップリケをするというハワイアンキルトの誕生です。

木陰に干してあった白いシーツに映ったレフアの木の影があまりに美しかったことから生まれたというハワイアンキルトの伝説は、もっともよく知られています。なんだかロマンティックですね。

ハワイアンキルトは、4枚または8枚に折りたたんだ布を切りぬいてひろげ、土台となる布にアップリケをするという独特の手法で作られています。そしてそのまわりを幾重にもキルティングしていく、エコーキルティングと呼ばれるキルティングもハワイアンキルトの特徴です。

私は今年、はじめてのハワイアンキルトに挑戦してみました。今回も作品をご紹介しながら、ハワイアンキルトの魅力についてお話ししてみたいと思います。

はじめてということもあって、まず、クッションカバーを作ってみました。型紙は、マイケル・ギランのハワイアンキルトコレクションを使用しました。「ハイビスカス」「パンの木」「パイナップル」「トーチジンジャー」と4種類が1セットになっています。

白地に赤の配色で「ハイビスカスのモチーフ」まず初めに。2つめは「パンの木のモチーフ」でクッションカバーを作ってみました。

今年も新宿高島屋で「アロハ!マハロ!ハワイ展」が開催されました。展示販売なので、間近で見ることができます。型紙は、去年見に行った時に購入したものです。今年は、102cm×102cmサイズのタペストリーの型紙を2種類、購入してきました。モチーフは「イルカ」と「パンの木」です。

ハワイアンキルトにはいくつかの言いつたえがあります。「パンの木」のモチーフのキルトを作ると、キルターとして成長するといわれています。ほとんどが植物のモチーフであるハワイアンキルトの中で、もっとも人気のあるモチーフです。


ハワイアンキルトの作り方を簡単に説明してみたいと思います。まず、アップリケ用の布を3回折りたたみます。1/8の大きさになります。そのままアイロンをあてて、まわりにしつけをかけます。8枚重なっている布を一気にカットするわけです。ズレるのを防ぐためにも、しつけをかけておくことをおすすめします。

型紙をのせて、輪郭を写しとります。この時「わ」の位置をまちがえないように気をつけます。そしてハサミでカットします。

土台となる布も同じように3回折りたたんで、アイロンをかけます。広げると折り線がついています。その線にあわせて、アップリケの布を順に広げていきます。輪郭にそって1cm内側にしつけをかけます。そして、ぬいしろを針先で折り込みながら、まわりを「たてまつり」でアップリケします。

アップリケが終わったら、裏布、キルト綿と3枚重ねてしつけをかけます。そして、アップリケの上をキルティングします。特に決まりはないので、デザインは自由です。

次に土台布にキルティングをします。まず、アップリケの外側のきわに「落としキルト」をします。そして、アップリケの輪郭にそって幾重にもキルティングしていきます。間隔は1cm前後が目安です。ぬいしろが重なっている部分がないので、針はおもしろいようにスムーズにすすんでいきます。キルティングが苦手という方も大丈夫です。全体にキルティングができたら完成です。


実際に作ってみて、わかったことがいくつかあります。 まず、出来上がりのサイズが予定していたサイズより、かなり小さくなったということです。エコーキルティングを細かく入れたためだと思います。タペストリーだとあまり気にはなりませんが、クッションカバーはサイズが重要です。小さいとクッションがはいりません。今回は幸いなことに、土台布をかなり大きめにとってあったので、セーフでしたが、気をつけなくてはいけません。

カットする時に布がズレるのではないかと心配でしたが、しつけをかけたおかげで意外とすんなりカットすることができました。むしろ、苦心したのがアップリケでした。ゆるやかなカーブはいいのですが、V字形にとがった部分や切れ込んだ部分がむずかしい!ハイビスカスのモチーフは、比較的簡単でしたが、パンの木のモチーフの葉の部分にまいってしまいました。

ぬいしろがほとんどなくなってしまたり、うまくぬいしろを折り込めなかったりと、ちょっと悲惨な結果になってしまいました。きっと何度か洗濯したら、ほつれてしまうと思います。でも、何事も経験です。これにめげずに、キルティングと同様、練習していきたいと思います。

以上、そんなこんなで出来上がった、はじめてのハワイアンキルトですが、白地にステッチされたエコーキルティングがやはりなんといっても美しいです。今回は、白地に赤ともっとも伝統的な配色で作ってみましたが、もっと大胆な配色もチャレンジしてみたいと思っています。

■キルトジャパン2000年7月号の「読む・見る世界のキルト」にハワイアンキルトに関する記事が掲載されています。

2000年07月09日

キルトカフェ ハワイアンキルトにまつわるコラムです。
キルトカフェは2005年3月1日にオープンしました。