私が初めてミシンというものを見たのは、たしか、家にあった足踏みミシンだったと思います。母親が使っていた姿をうっすらと覚えている程度です。フタを開けるとミシンがでてきて、皮のベルトをかけて使います。このベルトがよくはずれるらしく、よく、からまわりしていたようです。
その後、わが家でも足踏みミシンから電動ミシンに買い替えます。直線縫いだけでなく、ジグザグ縫いはもちろん、かなりの数の種類が縫えるミシンでした。丸い「カム」をはめ込むミシンは、当時としては、画期的なミシンだったようです。「高かったのヨ」と、母親がよく言っていました。でも結局使ったのは、直線縫いとジグザグ縫いだけでしたが...。
子供のころから、レースあみや編み物などが好きだった私ですが、ミシンでバッグやスカートを作ったりもしました。自分の好きな生地で好きな形のものを、簡単にパッと作れるミシンは、やはり便利です。
たとえば、コーティングした皮革調の生地、ブランドイニシャルをコピーした生地や、鎖に革を通したシャネル調の持ち手など、その時の流行を取り入れたバッグを夢中になって作ったのを覚えています。今でもほとんどが、手元に残っています。さすがに外には持って出かけませんが、小物の整理に役立っています。
親子二代、数十年もの間にわたって、大変お世話になってきたミシンですが、今では押し入れの奥で眠っています。なにせ重い重い。一度しまい込むと、出すのが面倒で、しだいに使わなくなってしまいました。
|