キルトカフェホームお茶にしませんか道具・テクニック

No. 042 ミシンは便利!

最近、「おしゃべり広場」で話題にのぼっているミシンについて、今回はお話ししてみたいと思います。
私が初めてミシンというものを見たのは、たしか、家にあった足踏みミシンだったと思います。母親が使っていた姿をうっすらと覚えている程度です。フタを開けるとミシンがでてきて、皮のベルトをかけて使います。このベルトがよくはずれるらしく、よく、からまわりしていたようです。

その後、わが家でも足踏みミシンから電動ミシンに買い替えます。直線縫いだけでなく、ジグザグ縫いはもちろん、かなりの数の種類が縫えるミシンでした。丸い「カム」をはめ込むミシンは、当時としては、画期的なミシンだったようです。「高かったのヨ」と、母親がよく言っていました。でも結局使ったのは、直線縫いとジグザグ縫いだけでしたが...。

子供のころから、レースあみや編み物などが好きだった私ですが、ミシンでバッグやスカートを作ったりもしました。自分の好きな生地で好きな形のものを、簡単にパッと作れるミシンは、やはり便利です。

たとえば、コーティングした皮革調の生地、ブランドイニシャルをコピーした生地や、鎖に革を通したシャネル調の持ち手など、その時の流行を取り入れたバッグを夢中になって作ったのを覚えています。今でもほとんどが、手元に残っています。さすがに外には持って出かけませんが、小物の整理に役立っています。

親子二代、数十年もの間にわたって、大変お世話になってきたミシンですが、今では押し入れの奥で眠っています。なにせ重い重い。一度しまい込むと、出すのが面倒で、しだいに使わなくなってしまいました。


その後、キルトに興味を持つようになった私ですが、そんなこともあって、ピーシングもキルティングも手縫い派です。針と糸さえあれば、どこでもすぐに作業ができます。ミシンにはない手縫いのぬくもりがなんともいえません。

バイヤステープをミシンでつけるかどうか迷ったこともありましたが、あくまで「手縫い」にこだわってきました。しかし、クッションカバーなどの小物を仕立てる時には、そうも言っていられません。やはりミシンが便利です。

しかし、押し入れから「あのミシン」を出さなくてはいけないと思うと憂うつです。出してもはたして、ちゃんと動いてくれるかと思うとなおさらです。でも、クッションカバーを仕立てたい!そんな私は、ちゃっかり、姉の家まで行って、ミシンを借り、なんとかしのいできました。

そろそろ、わが家のミシンも買い替え時かナっと思いながらも、毎日使うわけではないので、ひとつ作ってしまうと忘れてしまいます。


みなさまからいただいたメールや【おしゃべり広場】のカキコを読むと、ミシン派の人が結構多いことを知ります。NHKの「おしゃれ工房」で、ミシンを使ったフリーモーションの実演を見たりすると、「今のミシンってスゴイんだ!」と、ひたすら感心するばかりです。

先日、何を思ったか、この暑い時期に、いま一度「あのミシン」を出して使ってみようと思いたちます。「ひょっとしたら、動かないかも?そしたら、買い替えよう!」と期待しながら、汗をかきかき、重い重い「あのミシン」を取り出してみました。

ちょっとしたカフェカーテンを作ってみることにしました。アイロンでびしっと折り目をつけてから、ミシンに向かいます。おそるおそるフットコントローラーを踏んでみると、大きな音をたてながらも、なんとか縫えてしまいました。「なんだ、縫えるじゃない!」と、ガッカリする私。

直線縫いはクリアしました。次は、ジグザグ縫いです。押さえがねを替えて、ダイヤルをあわせ、振り幅を決めて、いざ、フットコントローラーを踏みます。しかし、ジグザグに針が動きません。


買い替える理由ができた私は、さっそくミシン屋さんに行ってパンフレットを集めます。はたして今どきのミシンはいかがなものか、値段も機能も見当がつきません。説明を聞いても、あまりの種類の多さに、ただただビックリするばかりです。

せっかく買い替えるのだからと思うと、チカラが入ります。これもできたらいいかも、あれもできたらいいかも...。でも「結局ミシンで何をしたいのか」を考えると、おのずと選択の幅が決まってくるように思いきや、なかなか決めかねている私です。

1851年、アメリカでイサック・シンガーがミシンを発明してから、150年。最近ではインターネットでもミシンを買うことができるようになりました。便利な時代になりました。

2000年07月19日

キルトカフェ 手芸の道具・テクニックにまつわるコラムです。
キルトカフェは2005年3月1日にオープンしました。