とてもめずらしいキルトトップが1枚展示されていましたので、ここで詳しくご紹介したいと思います。「シガーリボン」で作られたキルトトップです。
シガーリボンとは、葉巻を束ねていたおよそ1〜1.5cm幅のシルクのリボンのことです。細い帯状になっているリボンの1本1本に、それぞれの会社の名前やロゴマーク、商品名そして値段が刻まれています。ほとんどのリボンは黄色または金色ですが、なかには赤やブルーのリボンもまじっていました。
以前に本で見て知ってはいましたが、実際に見たのは今回がはじめてです。「シガーリボンのキルトをこの目で見ることができて、なんてラッキーなんだろう!」と、ひとりで感激してしまいました。が、あらかじめ予習がされていないと、説明文を読んでもあまりピンとこないのかもしれません。足を止めて見ていた人は、残念ながらあまりいなかったようです。
葉巻についていたリボンを捨てずにとっておいたら集まってしまったというよりも、どちらかというとリボンが欲しくて葉巻を買ってしまったのかもしれません。しかし、当時の葉巻はとても高価だったようです。1枚のキルトができるほどリボンが集まったということは「お金持ちのあかし?」なのかもしれません。どちらにしても、シルクの色と光沢、そして何よりも刻まれた文字が美しいです。
キルトトップの大きさは1辺がおよそ60cm以上はあったかと思います。あまりに貴重であるためなのか、ガラスのケースに入って大切に展示されていました。
ちなみに、私が以前にシガーリボンのキルトを見たという小野ふみえさんの本「キルトに聞いた物語」をご紹介します。ほかにも素敵なアンティークキルトがたくさん紹介されています。1枚1枚のキルトに丁寧な解説文が書いてありますので、とても勉強になります。ハードケースに入っていて、お値段が少々高めですが、私イチオシのおすすめの本です。続編の「花かご揺りかご」もご一緒にどうぞ。
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