キルトカフェホームお茶にしませんか展示会リポート

No. 053「インターナショナルキルトウィーク(IQW)横浜」を見て〜前編

11月10日(金)〜12日(日)、パシフィコ横浜展示ホールで「インターナショナルキルトウィーク(IQW)横浜2000」が開催されました。去年は、前売り券まで買っておきながら見にいけませんでしたが、今年は念願かなって初日に見に行くことができました。今年で8回目をむかえるIQW横浜ですが、私は今回がはじめてです。

このIQW横浜のリポートを前編と後編の2回にわけておとどけしたいと思います。前編の今回は、展示作品を見てきたリポートです。

朝7時30分に自宅を出て、パシフィコ横浜に着いたのは9時40分。自宅から会場まで片道約2時間。会場につくと、もうすでにオープニングセレモニーがはじまっていました。テープカットが終わって10時になると「みなさま、押し合わずにごゆっくりお進みください」のアナウンスが流れ、いざ、入場です。

初日のバーゲンセール開始の時のように殺気だった雰囲気。さすがに走りこそはしませんが、速足になってしまうところがコワイです。

午前中はショッピングと決めていたので、まずはキルトマーケット会場へむかいます。ショッピングは、なんといっても初日の開店直後がネライ目。商品がキレイに陳列されているので、パッと見て、お目当てのものをみつけることができます。

余裕で見ていられたのもつかの間、キルトマーケットはアッという間に人、人、人。みなさまもご存知のとおり、手ぶらでは帰らない私です。今回もモチロン、いくつかゲットしてきました。それらは次回の後編でご紹介したいと思います。

ひととおりお店をのぞき終わると、時刻はすでに11時30分。会場をでてすぐのところにあるマクドナルドでお昼にします。平日半額のフィレオフィッシュを食べながら、ホッとひといき。午後から見る予定の展示会場のレイアウトを案内図で確認します。

ちなみに、IQW横浜では、会場を出る際にチケットにスタンプを押してもらうと、その日にかぎり何度でも会場を出たり入ったりすることができます。


再び会場に戻り、入口右手にある展示ブースから順に見ていくことにします。しばらくしてから気がついたのですが、聞こえてくるBGMがなぜかコムロサウンド。あうあわないは別として「どうして?」と思ってしまったのは私だけでしょうか?

まず最初のブースでは、歌舞伎俳優の顔と名前の柄布を使った、とても日本的なキルトがいくつか展示されていました。一周して隣りのブースへ移動すると、そこはお目当てのひとつ「Quilting Today掲載作品展」が展示されていました。

キルト雑誌「Quilting Today」は、アメリカで発行されている雑誌です。私は定期購読をしているわけではありませんが、何冊か持っています。英語がわからなくても十分楽しめます。その雑誌の表紙を飾った作品が展示されています。いつも思うのですが、デザインもさることながら配色がとてもイイです。

さらに奥のブースでは、こちらもお目当てのひとつブティコレクションが展示されていました。ブティは、19世紀前後の南フランスで盛んに作られたキルトです。綿の布を2枚合わせて、デザインした図柄どおりにランニグステッチをして、裏布から細い綿コードを詰めて模様を浮き上がらせます。その細さはスパゲッティほどの細さです。

テーブルクロスやクッションカバーなどの小物が主でした。デザインや縫い目の細かさは、私の予想をはるかに上回っていました。それらはまるでレースのように繊細で、思わず溜め息がでてしまいます。かぎりなく美しく上品な「白の世界」です。

ブティのデザインブックもありました。ミニミニブティを作って額に入れて飾ったら、きっとステキだと思いませんか?

ブースを出ると、向かい側には「ミニキルト」がパネルに並べて展示されていました。サイズは、50cm×50cm。一般応募の作品です。個性あふれるアイデアが随所にもりこまれていて、とても参考になりました。和布を使ったり、日本の和を意識したデザインが結構多かったように思いました。

いくつか印象に残った作品が2つあります。そのひとつは、コースターくらいの大きさの円形のブティをつなげたキルト。もうひとつは、シガーリボンならぬおそらくお菓子などの包装に使われていたであろうリボンでできたキルト。ちなみに「godiva」の文字をみつけました。2枚ともアイデアがおもしろいと思いました。

「う〜ん、みんなヤルなっ!」と感心しながら角を曲がると、今度は壁いっぱいに「ミニミニキルト」がたくさん飾ってありました。こちらのサイズは、20cm×20cm。テーマはお正月。こちらも一般応募の作品です。羽子板、駒、凧、鏡もちに、獅子舞や富士山、まねき猫などをモチーフにした、見ていて楽しい作品ばかりでした。

お正月だからといって、和布を使ったものばかりというわけではなく、配色で「らしさ」を出していたように思います。

そして、入口左手にある展示ブースに入ると、そこは日本を代表するキルト作家の最新作、代表作が展示されていました。私がパッと見てわかったのは、郷家啓子先生や岡野栄子先生、升井紀子先生の作品です。もちろん、どれも素晴らしかったです。

ここで案内図を見ながら、まだ見ていないブースをチェックします。コンテストの受賞作品や日本のお祭りキルト、アイランドキルトなどなど。


私がとても興味をもったのが、何人かで作るキルトです。そのひとつがフレンドシップエクスチェンジキルトです。サイズは、100cm×100cm〜150cm×150cm。1チーム4人で1枚のキルトを作ります。

一番目の人が中心となるブロックを作ります。2番目の人がそのまわり、3番目の人がさらにそのまわり、最後4番目の人がボーダーをつけ、キルティングします。出来上がったキルトは、4番目の人がもらいます。

はじめにデザインしたものを4人で分担して作るのではなく、ひとりひとりが自由な発想で作って次の人に渡すところがおもしろいと思いました。デザインはもちろん布の種類や配色など、ひとりでは決して考えつかない意外性が生まれます。

そして「ジャンポキルト」です。100cm×100cmサイズのキルトを合計144枚つなぎあわせた大きな大きなキルトです。天井からつり下げられた巨大なこのジャンボキルト。わざわざ真下まで行って、見上げてきました。


最後に、グループ・サークル作品展のブースを見てまわりました。それぞれの特徴をアピールしていて、なかなかおもしろかったです。なかでもドールハウスを展示してあったブースがとても印象に残っています。おそらくドールハウスをあんなに間近で見たのは、はじめてだと思います。

余韻を残しながらこのまま帰ろうかと思いましたが、どうしてもキルトマーケットへ足がむいてしまいます。 力つきるまでキルトマーケットを何度も何度もぐるぐる見てまわりました。

やっと、3時30分になったところで会場を出る決心をします。外へでると雨がパラパラと降っていました。来るときは桜木町の駅からバスに乗ってきましたが、帰りは何を思ったか駅まで歩いてしまいました。これが失敗でした。足は棒のようになってしまい、おまけに東海道線は混んでいて座れず、疲れ果ててしまいました。


そんなこんなの一日でした。IQW横浜は来年も開催されます。なお、神戸21世紀復興記念事業のKOBE2001の一環としてIQWが神戸でも開催されます。関西方面の方、楽しみですネ。

2000年11月19日

キルトカフェ 展示会のリポートです。
キルトカフェは2005年3月1日にオープンしました。