再び会場に戻り、入口右手にある展示ブースから順に見ていくことにします。しばらくしてから気がついたのですが、聞こえてくるBGMがなぜかコムロサウンド。あうあわないは別として「どうして?」と思ってしまったのは私だけでしょうか?
まず最初のブースでは、歌舞伎俳優の顔と名前の柄布を使った、とても日本的なキルトがいくつか展示されていました。一周して隣りのブースへ移動すると、そこはお目当てのひとつ「Quilting Today掲載作品展」が展示されていました。
キルト雑誌「Quilting Today」は、アメリカで発行されている雑誌です。私は定期購読をしているわけではありませんが、何冊か持っています。英語がわからなくても十分楽しめます。その雑誌の表紙を飾った作品が展示されています。いつも思うのですが、デザインもさることながら配色がとてもイイです。
さらに奥のブースでは、こちらもお目当てのひとつブティコレクションが展示されていました。ブティは、19世紀前後の南フランスで盛んに作られたキルトです。綿の布を2枚合わせて、デザインした図柄どおりにランニグステッチをして、裏布から細い綿コードを詰めて模様を浮き上がらせます。その細さはスパゲッティほどの細さです。
テーブルクロスやクッションカバーなどの小物が主でした。デザインや縫い目の細かさは、私の予想をはるかに上回っていました。それらはまるでレースのように繊細で、思わず溜め息がでてしまいます。かぎりなく美しく上品な「白の世界」です。
ブティのデザインブックもありました。ミニミニブティを作って額に入れて飾ったら、きっとステキだと思いませんか?
ブースを出ると、向かい側には「ミニキルト」がパネルに並べて展示されていました。サイズは、50cm×50cm。一般応募の作品です。個性あふれるアイデアが随所にもりこまれていて、とても参考になりました。和布を使ったり、日本の和を意識したデザインが結構多かったように思いました。
いくつか印象に残った作品が2つあります。そのひとつは、コースターくらいの大きさの円形のブティをつなげたキルト。もうひとつは、シガーリボンならぬおそらくお菓子などの包装に使われていたであろうリボンでできたキルト。ちなみに「godiva」の文字をみつけました。2枚ともアイデアがおもしろいと思いました。
「う〜ん、みんなヤルなっ!」と感心しながら角を曲がると、今度は壁いっぱいに「ミニミニキルト」がたくさん飾ってありました。こちらのサイズは、20cm×20cm。テーマはお正月。こちらも一般応募の作品です。羽子板、駒、凧、鏡もちに、獅子舞や富士山、まねき猫などをモチーフにした、見ていて楽しい作品ばかりでした。
お正月だからといって、和布を使ったものばかりというわけではなく、配色で「らしさ」を出していたように思います。
そして、入口左手にある展示ブースに入ると、そこは日本を代表するキルト作家の最新作、代表作が展示されていました。私がパッと見てわかったのは、郷家啓子先生や岡野栄子先生、升井紀子先生の作品です。もちろん、どれも素晴らしかったです。
ここで案内図を見ながら、まだ見ていないブースをチェックします。コンテストの受賞作品や日本のお祭りキルト、アイランドキルトなどなど。
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