さてさて、今までに何度か展示会のレポートをおとどけしてきました。ワクワクしながら会場に入り、会場を出る時には、まるで自分がにわかキルト作家になったかのように、なりきって出てきました。余韻がいつまでも頭の中に残り、あんなキルトを作ってみたい、こんなキルトも作ってみたいと、頭の中でぐるぐるまわっていました。
すぐ影響されてしまう私ですが、実は、今回だけはなぜかちがっていました。会場に一歩入ってまず思ったことは、意外かもしれませんが「私には出来ない・・・」でした。素直に感動することができなかったのです。
技術はさることながら、私には到底思いつかないアイデアと発想に、刺激を受けるどころか、ちょっぴり自信をなくしてしまいました。使っている布の種類の多さも、半端ではありません。「私にはここにこの布を使うという発想はでてこない・・・」
なんだか、自分の作っているキルトが、とてもつまらないものに思えて、悲しくなってしまいました。私のこだわりって、いったい何だろう?複雑な気持ちでいっぱいになりました。
今では、便利な道具がたくさん登場しています。デザインもパソコンでできる時代になりました。モノも情報もアイデアもあふれています。キルトは日々進化しているように思います。
10年、20年、それ以上の長い年月の間に布を集め、いろいろなキルトをたくさん作り、たくさんの方々にキルトを紹介して教えてこられた方々が作った記念の作品展です。歴史がちがいます。私がいきなり作れるわけがありません。
さきほど紹介した「パッチワークキルトメーキング—野原三輝の配色教室」を見て、少しずつ、気持ちが変化したように思います。最終日に、再度見に行った時は、かなり冷静に見ることができました。そして、今回も無事、このようなレポートをおとどけすることができたというわけです。
今ではすっかり「私のキルトもまんざらでもないかナ?」なんて、思えるようになるまで復活してきました。これからも、私の好きなキルトをマイペースで作っていきたいと思います。そして、みなさまに見ていただけたら、うれしいです。
2001年03月19日
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