会場の中に入るとすぐ、野原チャックさんのアンティークキルトコレクションが展示されていました。入口はものすごい人で、なかなか中に入っていけない状態でした。
最初に、チケットに載っているキルトをじっくり見ます。実際のキルトは、縦横150cmほどの大きさでした。ウールの生地に柄の生地を切り抜いて刺繍でアップリケされています。図録の解説によると「ブローデリー・パース」という技術だそうです。刺繍のステッチがとても素敵でした。手仕事って素晴らしい!と感動してしまいました。
次に私が感動したのが「リックラック・ダリア」というキルトです。リックラックとは、山並みテープのことだそうです。エンジがかった赤い布に、直径が3〜4cmほどのお花が整然と縫い付けてありました。その数は何と1435個。ボーダーの四隅にひとつずつついていましたから、合計1439個です。ギザギザしたテープを5連6連と円を書くように丸めながら花の形にしたものが1439個。しかも、ひとつひとつ形と大きさが揃っていて、とにかく圧巻でした。単純な繰り返しって美しいんだ!と感動してしまいました。
次に私が感動したのが「ミラー・ワーク」のキルトです。ミラー・ワークとは、直径1cmほどのミラーを埋め込んで、まわりを刺繍でとめていきます。様々な形をしたブロックを巧みに繋ぎあわせて、1枚のキルトに仕上げてありました。色合いはまさしくアジアの色。インド刺繍がとても素敵でした。
さて、エンブロイダリーと言えば「レッド・ワーク・キルト」です。赤と白のキルトが大好きな私は、このレッド・ワークというものに前々からとても興味がありました。
今回展示されていたのは「大統領のレッド・ワーク・キルト」というキルトでした。中央には、3人の大統領の顔や星条旗がステッチされています。そのまわりを動物や植物、人などが赤い糸で刺繍されたブロックでつないであります。こちらは、愛国心あふれる、かなりメッセージ性の強いキルトでした。私が期待していたキルトとは、ちょっと違いましたが、レッド・ワークにもいつか挑戦してみたいです。
そして、最後に私が感動したのが「フラワー・バスケット」のキルトです。柄布の上にお花のアップリケがしてありました。アップリケというと、土台布は無地というのが普通ですが、そこを柄布に変えてみると、これがなかなかおもしろいのです。こちらもまわりにフリンジがついていました。色合いもアップリケのデザインも素朴で、愛らしいキルトでした。
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