ベッドカバーサイズの「オリエンタルなハワイアンキルト」が完成しました。モチーフのパターンはシャロン・バライさんデザインの「Hawaiian Style Quilting」から、12枚あるモチーフの中から9枚を選んで、サンプラーキルトとしてセッティングしてみました。黒い格子の部分は、一見ラティスのようですが、実はこれもアップリケです。ボーダーのデザインは私のオリジナルです。波を表現してみました。
シャロン・バライさんは、とても有名なハワイアンキルトのデザイナーです。彼女のデザインはとても人気が高く、すでに作品を作ったり、出来上がった作品を雑誌などで目にしている方もいらっしゃるかと思います。彼女のデザインの特徴は、やわらかな曲線です。
それにしても、なんてハワイアンキルトらしくない配色だとお思いになったのでは?と思います。シャロン・バライさんのこの本を見た時から、ぜひ、ハワイアンキルトのサンプラーを作ってみたいと思っていました。いざ配色は?と考えた時に、赤と白にしようか、それとも思いっきりカラフルにしようか、いろいろ悩みました。
「ハワイアンキルトはハワイアンキルトらしい配色で」といった常識が、どうしても頭からはなれませんでした。でも、それではあまりにもあたりまえすぎておもしろくないし・・・。
私の住む家は、残念ながら海の見える場所にあるわけでもなく、当然、波の音が聞こえてくるわけでもなく、潮のにおいがするわけでもありません。さらに最悪なことに、洋間の部屋は一室もなく、部屋はすべて和室のみです。しかもご覧いただいた通り、かなり古いです。(笑い)しかし、これが現実です。
小さなタペストリーなら、コーナーを作って「ここだけハワイ!」といった雰囲気を演出することはできますが、大きなものとなると・・・。そこで、和室にあうハワイアンキルトを作りたい!と、かねてからずっと思っていました。
去年の11月、雨上がりの午後でした。家の近所にケヤキ並木があります。ケヤキの葉は雨風にふかれてすっかり落ち、歩道の上に積もっていました。雨に濡れた葉の上をすべらないように足元を見ながら、ゆっくりゆっくりと歩いていた時のことです。そこには、すくっと空高くのびたケヤキの枝と自分の影が映っていました。
ハワイアンキルトは、白いシーツに映ったレフアの木の影があまりに美しかったことから生まれたといわれています。この伝説を、ふと、思いだしました。「このイメージだ!」と、その時ひらめきました。ここは日本です。四季が美しい日本の秋ならではの新しい発見でした。
土台布には、大胆にも柄布をもってきてみました。裏地にいいカモ?と思って、たまたま買っておいたものです。ちょうどケヤキの落ち葉が絨毯のようにしきつめられたようなイメージです。モチーフには、まよわず黒を選びました。
写真左が、土台布に使った布です。USAコットンです。和室にあうキルト、イコール和布、古布といった発想はまったくありませんでした。
写真右は、裏側から見たボーダーの四隅の部分です。今回はお見せすることができませんでしたが、裏側もキルティングの凹凸が奇麗にでていて、なかなか美しいです。
キルティングが大好き!な私ですが、キルティングの量のあまりの多さに、ボーダーの部分にさしかかるころには、さすがにウンザリもしました。それだけに出来上がった時の満足度は、かなり高いです。
出来上がってみると、なんともオリエンタルな雰囲気がでていて、とても気に入っています。
最後に、おかげさまで3月9日をもちまして、キルトクラブは4年目を迎えることができました。延べではありますが、アクセスカウンターも94,000件を越えるまでになりました。たくさんのみなさまにお越しいただき、ありがとうございます。
まだまだ未熟な私ではありますが、これからもますます、キルトの魅力を紹介していきたいと思っています。ひきつづき、キルトクラブをよろしくお願いします。
2002年03月09日
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