こんにちは。1月16日(火)〜28日(日)まで日本橋三越本店でウェンハム美術館のアンティークを中心に「古都、現代都市キルトの100展」が開催されています。初日に見てきましたので、そのリポートをおとどけしたいと思います。ウェンハム美術館はボストン郊外にあり、所蔵しているコレクションの数は25,000点を超えます。その中からニューイングランドで作られたアンティークキルトとドールキルトが展示されていました。
入り口を入り、まず最初に目にとびこんできたのが一枚の布からつくられたホールクロスキルト。オリーブ色の布には見事なキルティングがほどこされていました。フェザーとぶどうのデザインです。1780年代に作られたと思われるキルトです。
さらに進んでいくと、いわゆるアメリカンキルトの代表的なキルト、パッチワークキルトが続きます。パターンはフォーパッチやヘクサゴン、ログキャビンなどなど。たくさんの布のハギレを使っていて、その柄の多さに驚きます。アンティークキルトの中で私が大好きな赤と白のキルトもありました。パターンはダブルアイリッシュチェーンです。
そして次にドールキルトが続きます。ドールキルトは子供が人形のために作るキルトで、エプロンやワイシャツなどの使い古した布を使って作ります。遊びの道具として使われ子供が大きくなると捨てられてしまうことから、残っているものはほとんどないそうです。展示されているドールキルトを見ていると、子供が一生懸命にお母さんの真似をしながらチクチク縫う姿が目にうかびます。実際に人形と人形のベッドにドールキルトがかけてあったりなど、展示の方法にも工夫がみられました。
1820年代のはじめにローラープリントが伝わったことと、木綿の布が手ごろな値段になったことで、たくさんの布が作られるようになります。1900年代にはいるとさらに柄も色も明るいものが加わり、ハギレを集めてつなぎあわせて作るパッチワークキルトの楽しみが広がります。使われている布の柄をじっくりと見てまわることができるのも、アンティークキルトを見る楽しみでもあります。手縫いのぬくもりを感じることができるのもアンティークキルトの魅力です。
会場は前半がウェンハム美術館所蔵のアンティークキルトの展示、後半はアメリカと日本のキルト作家が作る現代キルトの展示の2部構成になっていました。現代のキルトは絵画を見ているような感じでした。作者が表現したいものを見る側がいかにして感じとるか、どう伝わってくるかが見る時のポイントです。記憶に残るキルトというのはなかなかむずかしいですネ。
2007年01月25日
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