キルトカフェホームお茶にしませんか道具・テクニック

No. 036 楽しくキルティング♪

キルトクラブの掲示板「おしゃべり広場」で最近話題になっているのが、キルティングです。なぜ今キルティングなのかというと、どうやらそれはNHKテレビの「おしゃれ工房」という番組に理由があるようです。 4月9日の「Vol.034 おしゃれ工房を見て」でご紹介しましたが、4月のおしゃれ工房には4人の先生方が登場しました。それぞれの先生が、自分の作品の作り方を紹介します。なかでも2日目に登場したキャシー中島先生の「シェルのパターン」のハワイアンキルトの作り方、そのなかでもキルティングの方法が、ちょっとした話題になっています。今回は、この番組を見逃してしまった!という方々のために、キルティングのコツについてお話ししてみようと思います。
ハワイアンキルトは、土台となる布に切り抜いた布をアップリケして、その形に沿ってまわりを一定の幅を保ちながら波のように幾重にもキルティングしていきます。このキルティングが細かくステッチしてあると、アップリケの部分がいっそうひきたちます。といってもキルティングは、決して脇役ではありません。美しいキルティングは、やはり見る人の目をひきつけます。

どうしたら美しいキルティングができるか、みなさま、いろいろ研究しているかと思います。キャシー中島さんが紹介していたキルティングのコツが、「おしゃべり広場」で話題になっています。なにが話題になっているのか、ここでおさらいを兼ねてまとめてみたいと思います。

■キルティングのコツ1:フープを使う

こんなものをどうして使わなくてはいけないのかと思っていたのに、実はとても便利な道具だったのです。

■キルティングのコツ2:ぺこぺこにする

布は、ピンと張るのではなく少したるませる。キャシーさん曰く「空気の抜けたゴムまりのように」と表現していました。うまい表現です!

■キルティングのコツ3:針を持たない

えっ?と思われるかもしれませんが、たしかにそうです。針のお尻を右手(利き手)の中指でおさえながら、針を進めていきます。そこで指に穴があかないように、シンブルをはめるわけです。

■キルティングのコツ4:親指がガイド

親指をうまく使って、針の先を誘導します。

■キルティングのコツ5:受けて押す

フープの裏側の左手の中指の動きがポイントです。下に向いた針の頭を左手の中指で受けて、受けたと同時に指を曲げるようにしながら押して、針の頭を上に向けます。この時、シンブルをはめる、はめないが話題になっています。ちなみに私は、はめます。

■キルティングのコツ6:向こうからこちらへ

針を進める方向ですが、右から左ではなく、向こうから自分の方へ向かって進めていった方が疲れないということです。これもなかなか良いと話題になっています。私的には45度の角度が、今のところベストです。

■キルティングのコツ7:リズムをつかむ

ハワイアンキルトのキルティングは、縫いしろが重なっているところがないので、実は意外と刺しやすいのです。自分のリズムをつかんで、あとは「楽しくキルティング♪」しましょう。

その他にも、キルティングの始めと終わりの玉結びを作らないなど、玉結びのキライな私は、目からウロコが落ちました。返し縫いを2〜3回すれば、糸は抜けないので大丈夫なのだそうです。今まで玉結びを布の中にひき込む時、ムリヤリひっぱってしまうため、布がツツーとつれてしまったり、プツンと糸が切れてしまったり、悲しくなってしまうことが何度もありました。さっそく、キャシーさんの方法を試してみようと思います。


さて、キャシーさんといえば、4月20日(木)〜26日(水)まで、銀座松坂屋で「キャシー中島のパッチワークパラダイス—花とキルトのある暮らし」キルト展が開催されました。もちろん見てきましたので、その様子をご報告したいと思います。

ハワイアンキルトはもちろん、アップリケとピーシングのキルト、ステンドグラスキルトなど、数多くの作品が展示されていました。どの作品も明るい配色と細かいキルティングの量に溜め息がでました。いったいいつ、このような細かいキルティングをする時間があるのだろう?と感心してしまいます。きっとキルティングが楽しくて、スイスイ針が進んでいくのだと思います。

キャシー中島さんのキルトを見ると、布の使い方の勉強になります。柄をあわせたり、うまく切り取ったり、ボーダー柄を利用したり、と常に新しい工夫がそこかしこに見られます。なるほど!と、発見するたびにワクワクさせられます。ステンドグラスキルトも見逃せません。まるで窓からのぞいているように、素晴らしい南国の景色を表現しているキルトが何枚かありました。

キルト展のおよそ半分は、お教室の生徒さんたちの作品のようでした。おそらく課題である50cm×50cmくらいのミニタペストリーを縦横4〜5枚ずつ並べて、1枚の大きなキルトに見せていました。それぞれのキルトには、作者である生徒さんであろう名前が刺繍してありました。さすがに見せ方がウマイ!です。


実は私がキャシー中島さんの隠れファンであることは、以前にもお話ししたことがあったかと思います。本も何冊か持っていて、よく参考にさせていただいてます。ハワイアンキルトにひかれたのも、キャシーさんの作品の影響があったからかもしれません。

ちょっと余談になりますが、1992年に六本木で開催された「第1回キャシー中島とスタジオK ハローマイパッチワーク展」を見にいった時に手に入れたパンフレットは、今でも大切にとってあります。ひょっとしたら、私が初めて見た展示会だったかもしれません。ちょうど私が見に行った時、ご主人の俳優である勝野洋さんが応援に見えていらしたのを覚えています。勝野さんはちょっぴり照れた様子で、キャシーさんは終始にこやかで、ステキなご夫婦でした。

キャシーさんの細かいところにこだわらない(しかしキルティングは細かいです)大らかな性格が大好きです。パッチワーク通信社のキルト雑誌「パッチワーク・キルト通信」の2000年6月号で、紹介の記事が掲載されています。ほかにもたくさん著書をだしていらっしゃいます。

2000年05月09日

キルトカフェ 手芸の道具・テクニックにまつわるコラムです。
キルトカフェは2005年3月1日にオープンしました。